企業会計の資本取引は税務上でどのようにあつかわれている?

企業会計では、取引の種類を損益取引と資本取引の2つに分けています。

損益取引というのは、企業が行った事業によって利益を出す取引のことです。つまり、製品やサービスなどの販売によって収益を得ることですね。

それに対して、企業の資本自体を直接動かすことを資本取引といいます。資本というのは、たとえば企業が持っている現金や預金、あるいは土地や建築物などの資産もそれにふくまれます。つまり、この資本を増やしたり減らしたりすることが、資本取引となるわけです。

たとえば、株式を発行、取得、処分したり、増資や減資、また合併などがそれに当たります。

また、資本には自分自身で用意する純資産以外に、他人から借りるものがあります。つまり、社債に発行や銀行からの融資、そしてその返済なども、資本取引のうちに入るわけですね。

企業会計では、この損益取引と資本取引を、かならず分けておかなければいけません。これを、「資本・利益区別の原則」といいます。

では、なぜその必要があるのでしょうか?

ひとつには、これらの取引を同じにしてしまうと、企業の業績がよく分からなくなってしまうからです。たとえば、本業が不調だとしても、資本を操作することで利益が出ているように見せることもできてしまうのです。

企業会計というのは、利害関係者に現在の状態を知らせるものでもあるので、そこは正確にしておかなければいけないわけですね。

そしてもうひとつ、大きな理由として税務上の問題があります。

もともと、法人税というのはあくまで営業による収益にのみ課税されるものです。したがって、資本取引では利益が出たとしても税金はかからないのです。

そのために、あらかじめ区別しておくことが必要になるわけです。

ただし、資本金はその金額によって税制上のあつかいが少しずつ変わっていきます。まず、資本金が1,000万円未満の場合、設立後2年間は消費税の支払いが免除されます。また、1,000万円以上になると法人住民税の均等割も高くなってしまいます。

さらに、3,000万円以下なら特定中小企業者というあつかいで特別控除があったり、1億円以下なら中小企業というあつかいで控除や軽減税率など、さまざまな優遇を受けることができるようになります。

資本金の金額は自分で決めることができるので、この点もよく考えて選んでおくと、より効率的に税金を節約できるようになります。