資本取引と損益取引の違いとは

企業会計にはいくつかの原則があり、会計を処理する上で無視することはできません、
この原則はかなり古いものなので、現状では実質意味のないものもいくつかありますが、現在でも重要だと考えられているものも少なくありません。
今回は企業会計原則の中でも、「資本取引・損益取引区分の原則」について考えてみたいと思います。
企業の取引は大きく分けて「資本取引」と「損益取引」に分類できます。資本取引・損益取引区分の原則においては、この二つを明確に区分しなければいけないことになっています。

会社を設立する際には株主に出資してもらい、それが資本金となります。全額を資本金にする必要はなく、一部を「資本準備金」とすることが可能です。
資本準備金とその他資本剰余金によって「資本剰余金」が構成されます。このように資本金が増減する取引のことを資本取引といいます。

それでは損益取引というのはどのようなものでしょうか。簡単に説明してしまうと、企業のビジネスそのものが損益取引です。購入や支払い、販売などはすべて損益取引になります。
企業の目的はビジネスを通じて利益を上げることです。それでは企業が手に入れた利益はどうなるのでしょうか。
利益はそれぞれ「利益準備金」「任意積立金」「当期未処分利益(もしくは損失)」などになります。これらを総称して「利益剰余金」と呼びます。

資本取引と損益取引の区分というのは、究極的には資本剰余金と利益剰余金を混同しないという意味です。
確かにどちらの取引も資産の増減につながりますが、両者はまったく性格が異なります。資本取引は株主からの出資の結果ですし、損益取引は企業のビジネスの結果です。
株主に出資してもらって現金が増えたから会社は儲かってる、といわれても納得できませんよね。資本取引と損益取引はきちんと区別しないと、会社の実態がわからなくなってしまうのです。
法人税に関しても両者を明確に区別しています。法人税は会社の利益に対しての税金ですので、損益取引は課税されますが、資本取引には課税されません。
資本取引はビジネスを行うための元手ではあっても利益ではないわけです。企業の目的はお金を集めるだけではなく、元手となっているお金から、どれだけ増やせるかということですからね。
少しややこしいかもしれませんが、資本取引・損益取引区分の原則は会計の基本となる考え方なので理解しておくと役に立つはずです。