資本取引の動きが外国為替市場のキーポイントになる

外国為替市場では、さまざまな種類の取引が行われています。

FX取引のように、為替の値動きによって差益を得ようとする取引のことを投機取引といいます。外国為替市場では、この投機取引がもっとも多い取引量となっています。

投機取引の多くは、デイトレードのように短いスパンで売買を行います。プロのトレーダーになると、1日の取引額が百億円単位になることもめずらしくありません。この取引量によって、外国為替市場にも大きな影響が出てきます。

ただし、投機取引では短い間にポジションを解消してしまいます。買ったら売り、売ったら買い戻すわけですね。そのため、短期的には大きく相場が動くものの、長いスパンで見るとあまり影響は残りません。

このようにお金の移動だけを行う投機取引に対し、実際にモノやサービスを取引することを実需といいます。

外国為替取引で実需に当たるのが、貿易などに代表される経常取引です。製品などを売買するために、通貨を現地のものと交換するわけですね。輸入品といえば、自動車や電化製品、食糧品など私たちにとっても身近なものです。このような取引を行っているのはほとんど企業ですが、たとえば海外旅行で利用するために行う両替も経常取引のうちに入ります。それ以外にも、保険や運輸などのサービス全般を利用する場合もふくめられます。

経常取引の特徴は、売買が行われるのは基本的に一度きり、という点です。FX取引のように、あとから反対の売買が行われることはほとんどありません。ですから、市場にあらわれた影響も長い期間そのままとなるのです。

また、貿易などでは損が出るからといって、FX取引のようにすぐ取引自体をやめるわけにはいきません。そのため、いったんトレンドが出ると、しばらくはその方向に変動しつづけるのも大きな特徴といえます。

取引量自体は全体の1割にもなりませんが、それだけ大きな影響力があるのが経常取引なのです。

そして、外国為替取引の実需にはもうひとつ、資本取引と呼ばれるものがあります。

これは、モノやサービスではなく、海外の株や証券などに投資する取引のことを指します。お金が移動するだけという点では投機取引と同じですが、こちらは配当や金利などがおもな目的となっているので、FXのようにすぐ売買は行いません。そのため、経常取引と同じように市場に長いスパンで影響をあたえることになります。

それにくわえて、市場のスピードも重要です。たとえば金利政策などが変わると、経常取引では見られない大きな変化がすぐにあらわれます。

反応が速く、トレンドが長引きやすい。このように、資本取引は外国為替市場のなかでもかなり重要な取引となっているのです。

FX取引を行ううえでも、この資本取引を動かす経済のニュースなどをよくチェックしておくことが大切になります。