資本取引はどのように自由化されていったのか

国が豊かになるためには、自分の国だけではなく、他の国ともうまく付き合っていく必要があります。
最近では、行き過ぎたグローバル化が問題になっていますが、だからといって完全に自国に閉じこもっているわけにもいきません。
重要なのはグローバルか鎖国かといった極端な話しではなくて、どの程度のバランスなら自分の国の国益が最大化されるかということです。

日本は歴史的に外国資本の受け入れには慎重でした。島国という地形的な特徴もあり、それが結果的に日本の独立性を高めたとも言えます。
それは決して江戸時代の話しではなく、明治時代になっても同様で、さらに言えば戦後になっても外国資本は制限されていました。
しかし世界の流れには逆らえず、段階的に資本取引の自由化が行われるようになります。それまで外国資本の出資比率は半分以下に制限されていたのが、条件付きですが解禁されました。
段階的に影響力の少ない産業から解放されていき、外国資本だけの会社というのが次々と設立されるようになったわけです。今では外国資本の100%子会社はめずらしくありませんよね。

1998年に「外国為替及び外国貿易管理法」が大幅に改正され、「外国為替及び外国貿易法」となりました。
資本取引を管理するという時代から、基本的に自由に行える時代への変化です。資本取引を行う場合でも、事前の許可や届け出が不要になりました。
ただしすべてが自由化されたわけではなく、一部の産業に関しては外資規制が続いています。国家にとって重要で独立性や安全に関する産業は仕方ありませんよね。
具体的には原子力や航空機、エネルギー、通信や放送、鉄道や路線などです。確かにこれらの分野が外国資本になってしまうのは心配です。
例えばテレビ局は5分の1以上を外国資本が保有してはいけないことになっています。日本ではテレビの影響力は絶大ですから、外国資本に乗っ取られ偏った報道が行われる可能性があるからです。

資本の自由化は海外の資金が日本に流れてきて経済が活性化するメリットがある一方で、気がつけば日本の産業がどこの国のものなのかわからなくなるというリスクもあります。
今後がどうなるのかはわかりませんが、国家の独自性を保ったまま最大限に恩恵を受けられるのがどの程度なのかをよく考えながら、自由化と規制のバランスを取ってもらいたいところですね。