外為法と資本取引

かつては海外との資本取引には制限がありました。当時は制限にもそれなりに意味があったのですが、時代が変わりかなり規制が緩和されました。
段階的に規制は緩和され続けましたが、1998年の外為法改正によって事前の届け出と許可が不要になりました。現在は事後報告するだけで資本取引をすることが可能です。
外為法というのは、かつては「外国為替及び外国貿易管理法」と呼ばれましたが、現在は「外国為替及び外国貿易法」が正式名称です。
名称が変わったように資本取引を管理するという意味合いは薄れ、最小限の調整を行い対外的な取引が安全に行えるようにするための法律です。

外為法では6種類の対外取引が対象となっています。具体的に言うと「支払手段等の輸出・輸入」「資本取引」「役務取引」「仲介貿易」「対内直接投資等」「技術導入契約の締結等」「外国貿易」が該当します。
資本取引というのはその名の通り資金のみが移動する取引のことです。逆にモノやサービスが移動する取引を経常取引と言います。

外為法は6種類の対外取引を対象とした法律ですが、具体的にはどういった場合に適用されるのでしょうか。
「外国で移住者と非居住者が行う取引」「日本で移住者と非居住者が行う取引」「移住者同士が外貨建てでの取引」「非居住者同士が円建てで行った取引」の4つのパターンが外為法の適用範囲となります。

重要な影響を与える一部の取引以外は事後報告を行えば問題なく対外取引を行うことができます。ただし、事後報告をしなかった場合には罰則があります。
外為法における主務大臣は財務大臣と経済産業大臣です。貿易以外の取引全般を財務大臣が担当し、経済産業大臣は貿易に関してのみ担当する形です。

外為法違反として定期的にニュースになるのは、やはり北朝鮮がらみだと思います。
北朝鮮への経済制裁にこの外為法は関連しています。現在、北朝鮮への輸出は原則禁止されていて、許可なく輸出をすると外為法違反となります。
つい最近もシンガポールに偽装企業を設置し、そこを通じて日本から物資を輸出しようとしていた企業が家宅捜索されていました。
このように外為法は日本に入ってくる資金やモノ・サービスだけではなく、日本から出て行こうとする場合にも対象となっています。
外為法はさらに改正され、大量破壊兵器などへの軍事転用が可能な技術を輸出できないようにするようです。今後の外為法の改正にも注目ですね。